2019年12月5日
広島・長崎爆心地中間点上毛町 第3の平和発信拠点
広島東南RCがクラブ創立60周年記念事業の一環として発案・提言した「広島・長崎爆心地中間点上毛町-未来へつなぐ平和の架け橋事業」の発足行事が、国連が定めた世界平和デーの2019年9月21日に、爆心地中間点にあたる福岡県築上郡上毛町(こうげまち)で開催されました。
当日は上毛町の町民・子供代表・関係者に加え、広島市長、長崎市長、広島東南RC・長崎南RC・地元の豊前RCの会員とIAC代表など総勢400名余りが参加して、町内の大池公園で「被爆樹木2世記念植樹式・モニュメント除幕式」、げんきの杜ホールで「平和記念式典」が行われ、盛大な平和推進事業となりました。
「被爆樹木2世記念植樹式・モニュメント除幕式」では、上毛町と広島東南RC・長崎南RC・豊前RC三つのロータリークラブが協力して、大池公園内の大池両岸に被爆樹木2世の苗を植樹し、「広島の丘」と「長崎の丘」と名付け、その両者を結ぶ地点に平和の架け橋となるモニュメントを創り、その除幕を行いました。
げんきの杜ホールでの平和記念式典では、坪根秀介上毛町長が「広島・長崎爆心地中間点上毛町平和宣言」を行い、松井一實広島市長は「被爆樹木2世はもの言わぬ証人であり、町の若い世代に平和を願う心を育んでほしい」、田上富久長崎市長は「仲間が増えた思いで、未来につながる取り組みを歓迎したい」と挨拶され、両市長への町民が折った千羽鶴の贈呈や子供たちによる平和の誓いなどが行われました。
続いて記念講演と子ども達による平和創作劇が行われました。「被爆者の心」と題した記念講演では、錦織亮雄氏(広島東南RC)が、自身の被爆体験を語りつつ、原爆犠牲者のせめてもの「死に甲斐」としての平和希求を語り、必死で生き抜いてきた被爆樹木の姿を紹介し、被爆者や被爆地を越えた開かれた平和哲学の必要を訴えました。劇団「I PRAY」による創作劇では、被爆という重い現実をテーマとしながらも、平和な未来へと祈りを込めて歩もうとする姿が明るく感動的に表現され、最後に会場全体で「いのちの歌」を謳いあげて、盛大かつ感動的な閉幕となりました。
このようにして、平和と核廃絶を発信する第3の拠点が、広島・長崎爆心地の中間点である上毛町に世界で初めて創出され、被爆地・被爆者を超えた、新しく開かれた平和への活動が始まります。